似顔絵スタンプ制作に挑戦

お絵描き

以前このブログで、フリーのお絵かきソフト、アイビスペイントを使って、自分用のLINEスタンプ作成をしたことを書きました。この時は、教師として子供のノートを見たり学級通信を書くときにずっと使っている、マイキャラ「ムサシくん」が題材でしたし、これ自体がシンプルな絵なので、休みの日なら1日で2枚描けるほど、楽しくサクサクできました。しかし、今度はもう少しキャリアアップにつながる制作に挑戦してみたいと思い、音楽活動をしている友達の似顔絵スタンプを作らせてもらいました。

という訳で、今回はその過程をシェアさせていただきます。

シンガーソングライター「たなか みどり」さんの紹介

(リアルなクリエーター修行をするには、オリジナルスタンプを必要としていて、有効活用してもらえる人がいい!)

(でも、教師として働きながらの作業では、どれだけ時間がかかるか分からないから、その辺の都合も理解して気長に付き合ってもらえる人でなくては、返って怒らせてしまうかもしれない…)

・・・と、思案した挙句に白羽の矢を立てたのが、たなかみどりさんです。

詳しくはオフィシャルHP

彼女は、静岡県東部を中心に、地元密着型の幅広い音楽活動を展開するボーカリストで、作詞・作曲家で、ピアノ教室やシニア向け歌声広場の先生で、高校の非常勤音楽講師で、それから、それから…とにかく、ものすごくバイタリティのある女性です。実は、彼女とワシは、某国立大学教育学部音楽科の同級生でした。当時ジャズサークルに所属していたワシと、軽音サークルにいたみどりちゃんは、気の合うクラスメイトではありましたが、プライベートな接点はありませんでした。しかし、卒業後も生活圏が近かったし、互いの子供が同級生だったりしたので、数年に1度見かけては声を掛け合う間柄でした。お互いの子供に手がかからなくなった頃、彼女が地元のイベントで弾き語りをしたり、シニア向けの音楽サロンのような会を開催したりする活躍を知って、(やるなぁ…)と感心すると共に、同級生としてこちらも元気付けられ、「自分の良さを生かして、社会に貢献するお手本」として、勤務先の学校のゲストティーチャーになってもらったりもしました。

そして、このたび(3枚目のCDをリリースし、三島市民文化会館大ホールでのソロコンサートも大成功させたみどりちゃんなら、きっと自分専用のLINEスタンプを喜んでくれるに違いない!)と考えたのです。

制作の苦労その1(予想以上のプレッシャー)

電話で正直に「ワシのキャリアアップのために、似顔絵スタンプ作らせて!」とお願いしたところ、みどりさんは納期不明という怪しい条件にも関わらず、快く承諾してくれました。

しかし、いざ始めてみると、予想以上のプレッシャーがワシを襲いました。自分以外の、しかも、人気のある女性エンターテイナーが使う似顔絵スタンプを、無報酬のお試し作品とはいえ、ど素人のワシが作るということに改めてビビったのです。(最初に気付け!)学級通信に子供のイラストを描き込むことはしょっちゅうですし、子供から「描いて〜」と頼まれれば、サラッと描いて「ほい」と渡していました。たまには、「えー!似てないよ先生!」と突っ込まれますが、「そっかー?愛情込めて可愛く描いたんだけどなぁ」「先生、そういうのいらない!」「遠慮すんな、ワシの愛は無限じゃ!」(双方笑い)…で終了です。しかし、(彼女が営業で使うかもしれない…)と思うと、(そんな期待はされていないとしても)そうはいきません。スケッチの段階から、打ち合わせをしっかり行おうと思いました。

“試作を描いては、LINEに貼り付けて送って意見を聞く”ということを何度も繰り返しました。もちろん本職優先で、平日夜と休日の作業ですから、ここまでで3週間。でも、今見ると(手の形をもっと可愛くした方がよかったかな)とか、(やべ!「ハートを緑にして」って言われて編集したのに、最終的に赤で保存しちゃってた)とか、反省点山盛りです。。。

制作の苦労その2(言葉にあった図柄に迷う)

<パッと思いつくもの>

LINEスタンプを自主制作するには、最低8枚の画像をセットにして申請しなければなりません。自分用の「ムサシくんスタンプ」(非公開なので誰も買えませんよ)もこれまでに2セット作っているので、(顔や絵柄のタイプが固まってしまえば、残り7つはサクサクいける)と思っていました。

下の3枚は、最初からなんとなくイメージしていた図柄で、みどりさんが選んだ言葉の中にも入っていたので、すぐに取り掛かることができました。一番大変だったのは、キーボードの鍵盤ですが、イメージに近い画像をネットから拝借し、下のレイヤーに置いて不透明度を下げ、上に重ねたレイヤーで直線ツールを使ってコツコツ描いていけば、それほど難しい仕事ではありません。背景のキラキラやシャボン玉だって、ペンの種類の中にあるんですよ!このペンでスッとキャンパスをなぞるだけで、ランダムに散りばめてくれるんです!ホントに便利な世の中だなぁ。

<ちょっと迷うもの>

いくつかの図柄が浮かんで迷うものもありました。

“メイド風”や“三つ指ついた和服姿”なんてのも考えて、ラフスケッチもしてみました。しかし、彼女のFaceBookInstagramを見まくっても和装はないし、描いてみるとやはりしっくりこないのです。だから、これらの案はワシの中でボツりました。完成したスタッフジャンバーも、元となる写真のないオリジナルデザインですが、『いーねー!マネージャーみどり。』と喜んでもらえました。缶に描き込んだ四分休符やRestの文字がぼやけているのがちょっぴり残念!

“元気一杯に手を上げるみどりちゃん”というイメージは、すぐに固まっていたのですが、問題はレイアウトです。「わーい」の時みたいな全身ポーズや、“教室の椅子で挙手”も考えましたが、(グンと手を伸ばす感じを、真上からのアングルで出してみよう!)と考えてできたのがこれです。本人だけだと、“空を飛んでいる姿の正面”に見える気がして、足元にムサシくんを置いてみました。妻は、『変だよ!』と文句を言いましたが、みどりちゃんがOKしてくれたので良いのです!

<迷いまくったもの>

一番悩んだのが、「みどり、がんばる!」でした。

(運動系?)(やっぱりミュージシャンだから、そっち係?)(どんなシチュエーションで使われることが多い?)といった具合に、悩み始めるとどんどん深みにはまってゆくのでした。

混乱極まって、これらのスケッチと共に相談メッセージを送ったところ、『筋トレしてるから、筋トレネタでもいいよ』とアドバイスをもらうことができました。(なるほど!)と、完成したのがこれです。『プルプルな感じがいいね!』と褒めてもらえました♪( ´θ`)ノ

制作の苦労その3(コピペの見えない落とし穴)

作業開始から、1ヶ月ちょっと。(ご招待いただいていたコンサートまでには仕上げたい)と思っていたのですが、ギリギリのタイミングでやっと8枚揃いました。

ところが、いざ審査に出そうとしている過程で、思いもよらないミスに気づいたのです。

この画面は、「LINEスタンプメーカー」という専用アプリで登録作業を行う過程で、“実際の見た目はこんな感じですけど、いいですか?”と確認してくれる画面です。(ん!?)結構苦労して気に入っていた「みどり了解です!」に、何やら傷のような小さくて白い線がいくつも入っているではありませんか!(なんじゃこれ?)

実はこれ、顔の部分を前に作ったファイルから切り出してコピペした際、きちんと必要な部分だけ切り出せていなかった為に残った消し残しなのです。スタンプのように最終的に透過されるバックは、作業中ずっと真っ白のままなので、気がつかなかったというわけです。

早速、修正しました。その様子を実際のアイビスペイント画面を元に動画にしましたので、ご覧ください。

完成までにかかった期間は、6週間でした。実質的な作業時間が何時間かはちゃんと記録していなかったのでわかりませんが、これだけに専念したとしたら、どのくらいなんだろう?打ち合わせ時間も含めると、1週間はかかるんじゃないかなぁ?

まぁ、将来このスキルがお金にできるかどうかは分かりませんが、楽しんで良い勉強させてもらいました!みどりちゃん本当にありがとう!

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