毎年、大晦日は、おせち以外のお惣菜づくりを担当しています。例年は、肉料理1品(ローストビーフか、煮豚)、筑前煮、サラダ、元旦用の雑煮汁の4品。ところが、今年は次男と三男が久しぶりに帰ってくるというので、肉料理は両方用意し、筑前煮も2倍とのリクエスト。。。いつもはその場で考えなら適当に調理を進めるワシも、さすがにレシピを確認したり、作業工程を真剣に考えたりしました。
今回は、レシピというより、8時間以上もキッチンに居続けたワシの作業記録(ワシにとっては備忘録)としてシェアさせていただきます。
筑前煮・ローストビーフ・煮豚の平行調理
10:20
妻の作ってくれた朝食後、最初は筑前煮から取り掛かりました。量が多く、煮込むのにも時間がかかると思ったからです。野菜は業務スーパーの下処理済みパックなので、こんにゃくと鶏肉を合わせて調味するだけです。
コンニャクを切って下茹でしている間に、鶏肉を大鍋で炒め、あらかた火が通ったら、冷凍野菜とコンニャクをガンガン入れて馴染ませます。酒・みりん・砂糖などの甘い調味料を入れて少しかき混ぜたら、水の投入。今回のだしは、昆布とカツオの顆粒ダシの元と、塩の代わりに最近気に入っているアゴ塩も使いました。醤油は煮たったら入れます。
10:55
筑前煮がひと段落したところで、ローストビーフの下ごしらえです。今回は、キッコーマンさんのレシピを参考にしました。耐熱ビニルの中で下味をつけ、袋ごと最初に茹でて、最後に焼き目をつけるという初の段取り。
袋の中で潰したニンニクや、オリーブオイル、塩胡椒を馴染ませた塊肉を15分放置している間に、煮豚の「焼き」をする計画です。
11:03
牛を寝かせている間の、豚の仕込み。今年は量が多いので「焼き」も一苦労。酒・砂糖・水を入れ、煮たったら生姜の皮と根深の葉を加えて、「茹で」の前半スタート。
20分ぐつぐつしている間に、牛の「茹で」とゆで卵作りです。
そうそう。豚さんと牛さんの前半作業の合間に、筑前煮さんのお世話もちょこちょこしていますよ。醤油を入れたり、時々かき混ぜたり。。。我が家最大の両手鍋を8〜9分埋め尽くしていたので、鍋底まで突っ込んだ大きめの木べらを、てこの要領でごっそりと、でも、慎重に混ぜました。
11:10
予定通り、放置したローストビーフを茹で始める時間です。レシピには20分とあったので、10分後に卵を投入!そうです。煮豚と一緒に茹でる煮卵用です。牛さんのお風呂に一緒に入らせていただく案は、途中でひらめいたのですが、我ながら素晴らしい案だと思いました。
ところが。。。
この後、ワシは大変な読み間違えに気づき、愕然とするのです。その間違いとは、ローストビーフの後半20分は、茹で続けるのではなく、一度沸騰したら取り出して常温で放置する時間だったというものす。。。火が入り過ぎじゃーーー!
11:40
まあ、落ち込んでいても仕方ないので、気を取り直してローストビーフの「焼き」です。強火の短時間で手早く行ったのは、言うまでもありません。。。
その頃、ゆで卵を入れてしばらくたった煮豚は、いい感じでした。
11:44
ローストビーフは、「冷まし」と「冷やし」を残すのみ。(夜のカットを想像すると、悲しくなりましたが…)煮豚も、鍋の中で冷ましながら味が染み込むのを待つのみです。
ここで、昼食準備のための「中入り」です。リクエストは、「鳥南蛮そば」でしたので、楽チンでした。そばを茹でている隙間時間に、コトコトやり続けていた筑前煮を混ぜたり、午後のサラダ作りのカット作業などもすることができました。
白菜・リンゴ・干し葡萄のヨーグルト・ナッツサラダ
13:08
さて、残るはサラダと、お雑煮!冷蔵庫のローストビーフに赤みが残っているかどうか気になるところですが、心機一転です。
昼食前に、リンゴをカットして薄い塩水につけ、白菜も一つかみの塩をあえておきました。仕込みは上々であります。
白菜の塩ぬき&しぼり
白菜の鍋に”水を満たしてこぼす”を何度か繰り返して「塩抜き」をします。何回水をくぐらすかは、水をこぼす度に味見をしてみて、残っている塩加減で決めていますが、目安は「それだけで食べるのには、ちょっと物足りない程度」。今回は2回でした。
さぁ、この次が体力勝負の「しぼり」です。両手いっぱいの白菜を握りしめ、満身の力を込めて水気を絞り出すのです。これが中途半端だと水っぽくて美味しくなくなってしまう大切な工程。おにぎりを握るように、白菜の塊を両手で包み込んだら、上の手から下の手の順で圧力をかけていきます。重力を利用し、水分を下に追いやるためです。最後は、水滴が連続でしたたり落ちなくなるまで、白菜団子を圧縮します。(水滴ゼロは無理です)
この量を全て水抜きするのに、ムギューを繰り返すこと5回。かなり体積の減った白菜全体を、もう一度両手の平いっぱいに握って、さらにもう1セット行う(4回でした)と、全体の体積は「塩抜き」が終わったばかりの頃の3分の1ほどになります。(すみません。この写真撮り忘れました)
合わせ調味料づくり(オリジナルのヨーグルト・マヨネーズ)
ヨーグルトとマヨネーズをベースにした、サラダの味付けは、20年以上前に思いついたオリジナルです。もしかしたら、どこかで食べたことがあって、舌が覚えていたのかもしれませんが、見たり聞いたりしてないのは事実です。
プレーンヨーグルト2に対して、マヨネーズ1くらいでしょうか?これにハーブや香辛料を加えることもありますが、今回はブラックペッパーだけにしました。白菜の塩気が割と残っていたのと、いつもより量が多くてフルーツと和えた時の味が不確定だったので、後からマジックソルトで調味しようと思ったからです。
和える→味見→味の調整
今回の干し葡萄でかいなぁ。 ここで、ハチミツをプラス! さらに砕いたナッツも投入! おいしくできましたーーー!
14:00
ここからはいつもの通り、味見と調味の繰り返しです(要するに適当)。白菜、りんご、干し葡萄を和えて食べてみたら、塩味は良さそうだったのですが、ちょっと酸味が立っていたので、ハチミツ大さじ1ほどを加えたところ、イメージ通りの味になりました。
が、ここでまた閃いてしまいました。「ナッツ入れたら美味いんじゃね?」と。最近、夕食の代わりにヨーグルト&ドライフルーツミックス&ミックスナッツを食べているからでしょう。やってみたら、これまたグッドテイストになりました!
筑前煮の仕上げ
『煮物系の料理は、冷めていく過程で最も味が染み込む』と聞いたことがあり、時間がある時は実践しています。(実感もしています。)ということで、昼食前から火を止めて味を染み込ませていた、筑前煮と煮豚の仕上げです。
中身を鍋ごと返すことができなかった、大量の筑前煮も、かなり水気が飛んでいたので、なんとか両手で持ち上げて、こぼさずに返しができるようになりました。仕上げは、中〜強火で一気に煮詰めます。コツは、しっかり握って、手首で鍋底全体を素早く傾ける意識。…と聞いただけでできる訳ないですよね。そうです。ワシだって、何度もコンロに中身を撒き散らかしながら、うまくなっていたのです。習うより慣れろ!Tryial and error!です。(※余談ですが、Try and error.は和製英語です。)
14:28
煮豚の仕上げ
14:40
冷めた煮豚を切ってみたら、良い感じに火が通っていましたが、味見をしてみるとちょっと味が薄かったです。そこで、残り汁をグラグラと煮詰め、ソース状にしてかけることにしました。それが、一番上の写真です。
最後に
ローストビーフのソースは、耐熱ビニルに残っていた汁を使って作りました。オリーブオイル、塩、コショウ、ニンニク、そして肉汁ですから、味見をしてみると、ニンニクの香りが強く、しょっぱくて油っぽい汁でしたが、うまみやコクがあって深い味わいだと感じました。そこで、酸味と甘味を加えるためにリンゴ酢を足して味を整えました。
夕食の時、ドキドキしながらカットしてみると、最初の写真にある通り、予想以上に赤みが残っており、もともとウェルダン派の家族には好評でした。よかった〜♪( ´▽`)
最後に、正月用のお雑煮汁を作ったのですが、さすがに長くなり過ぎたので、今回のシェアはやめておきます。朝からずっといたキッチンを出て、少し横になれたのが16:00。実に8時間以上いたことになります。Good job!ワシ!
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